部室から、阿部君がいなくなってようやくオレは落ち着いて物を考えることが出来るようなった。(でも、ミイラの話はさっぱりわからなかった。どうして、ミイラが出てくるんだろう?)


「 は じ め て の 9 」


 まず、昨日のことはばれていない。阿部君は、見ていたわけじゃないから昨日の夜のことは全然知らないんだ。
 阿部君がオレのオカズだっていうことも、誰も知らない。田島君にも言わなかった。オレは、一人でシタことが殆どなかったから、おかずってものがどんなものか未だにわかってないんだけど・・・普通は女でするもんなのかなぁっていうことは薄々気がついていた。
 きっと、阿部君をでするのはヘンなんだ・・・。
 すごく、阿部君に対してうしろめたい気になる。
阿部君が握ってくれた手で、自分の勃ったのを擦ったからかな・・・。さっき阿部君の顔見て、すごくドキドキしたし。
 このドキドキの理由は、よくわかんないけど・・・。
「と、とにかく、今は急がなきゃ」
 だって、阿部君はオレを待っててくれるって言ったんだ。
 オレは、これから阿部君と一緒に気持ちのいい事をするんだ。
 そう思うと、嬉しくなったオレはもやもやとする気持ちを、とりあえず胸の奥に押し込めると、鞄の中から練習着を取り出すと、そそくさと着替え始めた。


END

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