Selfish February 2 




オレは、和さんと入るラブホの金を払うのが好きだ。
 ラブホの金は二人交替交替に払ってる。オレが払うと、次は和さんなわけで、ヘンなところで義理堅い和さんは、オレの番で止まっているのが嫌らしく、次の機会をさりげなく誘ってくれる。でも和さん、基本的にラブホが好きじゃねぇみたいなんだよな。
 まぁ、男の二人連れだから入りにくいってのはわかるんだけどさ。オレも、最初は内心すごいそこんところ悩んだ。今はもう、ふっきれたけど。
 とにかく、和さんが、誘ってくれるならオレは常に金を出し続けたいくらいだ。
 と、いってもまぁ学生だから一回五千円も六千円もかかるホテル代を払い続けるのは難しい。ああ、バイトしてぇ。
 そんで、二月二日。
 土曜日のせいか、混みあってて、空き室がひとつしかなかった。休日前料金ってこともあって多少高かったけど、気にしなかった。勿論、ここの払いはオレが持つつもりだ。
オレはこの機を逃すものかと、万が一にでも引き返されないように和さんの後ろをついて歩いた。
なんか、これはこれで必死すぎてせっかくの誕生日になんなんだよ、オレ?ッテ感じだけど、背に腹は返られない。
今のオレは性欲魔人と罵られようがかまわないって意気込みだ。
 使ってみるとわかるけど、ラブホのへ部屋って、実際はそんなにどぎつくない。まぁ、チョイスの問題もあるからひとえには言えないけれど、普通のビジネスホテルとオレの部屋を足して二で割ったくらいだ。変な親しみやすさは意識してるよな。
 まあ、そのおかげでオレも和さんもビビらず中に入ることが出来たんだけどさ。
 和さんが、落ち着かない様子でオレの方をちらちら見てる。
 きっと、オレが何を言い出すんだろうかと内心心配してるんだろうな。
「和さん、シャワー・・・」
「い、一緒には入るのか!?」
 オレが話しかけるとビクッとなった和さんに、そこまで脅えなくても!と思ってみた入り、あ、ちょっとかわいいなぁって思ってみたりした。
「あ、や・・・さきに、どうぞって言おうとしたンすけど」
 ってオレが言うと、顔をかぁっと赤くして『そうか、それなら・・・』っつって、バスルームへそそくさと逃げていった。
 赤くなった和さんなんて、レアもんだ。いいいもん見た!
 と、オレは内心喜んでいた。
 特にすることもなく、ベッドに座っていた。
 今日、これからこのベットでするお願いを、和さんが聞いてくれるかって言う不安はちょっぴりあった。けど、一度言ったことを曲げる人じゃないから、そこは安心している。むしろ、オレの方の技術っつーか、テクが問題なわけで・・・。
 そんなことをつらつらと考えていたら和さんが、バスローブを羽織って出てきたので交替でオレが入った。
 シャワーを浴びながら、すれちがった時の和さんを思い出した。
 和さんの湯上り姿は、かなりぐっとくるもんごがあるんだよな・・・。
 やべぇ、一回抜いといた方がいいか、オレ?
 下半身がむずむずしている。男としてかなりみっともない話なんだけど、ぶっちゃけ、オレはそんなに保たいないから、いつも結構恥ずかしい思いをしてる。
 でも、いつもは和さんがオレの体のあちこちを触ったりするから、多少早いわけで今日は違うんだ!なんて、意気込みながらオレは股間を見た。
 ・・・やっぱ、一回抜いとこう。

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